彼岸の導きで

前述の記事、父の墓参り

 

父のお墓に行きたいとは思ってみたけれど、

どこにあるのか

誰に聞けばいいのか

わからないまま10年が過ぎた

 

父を嫌っていた母も認知症になり

母への遠慮も、もう必要ないだろうと

父の謄本をとり、いつ、どこで最期をむかえたのか

調べてみた

 

父は私たちと別れた後、2度再婚し別れ

子供はいなかった

最後にいた女性とは、籍を入れず事実婚

亡くなったのは、今から10年前

 

10年前といえば、私も親となり

父の気持ちがなんとなくわかって

「あなたにも、孫がいるんですよ」

と父を探し、会ってみようかと思っていたころだった

 

昨年の9月から、縁あって岡山を訪ねるようになり

不思議な縁がつながって

父のお墓に行くことができた

 

その日、津山のサムハラ神社を訪れていた

その後、もし行けたなら

とは思っていたけれど、40年前の記憶

父の実家の場所は定かではなく

それに、40年も経った今

その場所を訪ねる勇気を持てないでいた

 

それでも、行きたいところがあると口にした時

笑顔で「良いよ」と応えてくれた

そのことで勇気をもらえた

きっと一人なら、途中で引き返していたかもしれない

 

naviを見て、記憶をたどり、その場所に向かい

勇気をもらって、その家を訪ねた

中から出てきた人に、

「こちら○○さんのお宅ですか?突然だけど・・・・・」

と言うと

「ともこ姉ちゃんか?わしじゃ、わしじゃ ちっともかわらんな

 面影が残っとる すぐわかった」と

覚えててくれた

父のお墓まで案内してくれ、お寺さんまで連れて行ってくれた

 

父が、甥や姪のために困ったときは助けていたこと

家族や親せきのために、尽力していたこと

最後は故郷に帰りたいと、強く願っていたこと

 

色々なことがわかり、なぜもっと早く探さなかったのか

生きているうちに、会っておけばよかったと

後悔の思いでいっぱいになり、涙があふれ

そばにいる人の手を握りしめ、腕にしがみついていた

 

従妹と連絡先を交換した帰り道、

他の従妹のお姉ちゃんから電話が入り

「よう来てくれた。嬉しいわ。会いたいな」

そう言ってもらえた

40年も経ったとは思えない、懐かしいお姉ちゃんの声だった

 

帰って、子供たちに今回のことを話すと

「私たちも、おじいちゃんのお墓に連れてって」

そう言ってくれた

 

今度は、父に

孫とひ孫に会わせてあげよう