母との関係

母の好きそうなおやつを買い込んで

母の面会に行ってきた

 

コロナの影響で、最近は面会できておらず

洗濯物を取りに行き、体調や様子を職員から聞くだけ

2月末から会っていない

 

認知症が進んで、私のこともわからなくなっているのでは

と思い、

施設の玄関先でいい、ほんの数分でいいからとお願いし、会わせてもらった

久しぶりにあった母は、一回り小さくなったように感じた

私:「おやつ持ってきたよ」

母:「まあ、どうしよう。こんなにたくさん。ごめんね。」

と笑っている

私:「どう? 変わったことなかった。」

母:「ううん、何にもないわ。すいませんね。」

私:「何か欲しいものはない?」

母:「うーん、あるけど、、、自分で買い物に行きたいわね」

どこか、他人行儀に話す母

弟のことを話題に出すと、

母:「ずっと会ってないんですよ」

私:「ねぇ、私 誰だかわかる?」

  「マスクしてるから、わからないかな?」

母:「わかるわね」

でも、私の名前を呼ぶことはなく

私:「またくるね」

そう言って帰ろうとすると、私に向かって

母:「ありがとうね。大事な人だよね。親子だもんね」

 

驚いた びっくりした

母の口から、”大事な人”などという言葉を聞くとは思わなかった

 

子供の頃から、母との関係は

お世辞にも良いとは言えなかった

母に言われたこと、されたこと

とても辛くて、許すことはできないとさえ思ったりもした

認知症になってからは、それまでにも増して

私へのあたりは強くなった

それでも、産んでくれたことには感謝しよう

それだけを思って母に接してきた

 

その母が、私に向かってニコニコと穏やかに笑っている

腹の立つこともたくさんあったけど、

母に対して、怒ったり、怒鳴ったりしないでよかった

 

投げかけたものが返ってくる

 

もし、感情のままに母を責めていたら

この穏やかな笑顔は、見られなかったかもしれない

 

大事な人だと言ってくれたこと

穏やかな笑顔が見られたこと

そのことで、私のやって来たことは

間違いではなかったと思えた

これまでの、母に対する私の中のわだかまり

すっと溶けていくようだった

 

ここから、また母との新しい関係を築いていこう