異動
何の前触れもなく、打診があるわけでなく
突然の異動発表
この状況を、どう受け止めていいのか
まだ戸惑っている、というのが本音
ここでの勤務が最終日という日
ロッカーを開けてびっくり
片付けも掃除も終えて、空っぽにしたはずのロッカー
メッセージカード、お手紙、その他いろいろ
本当に驚いた
業務を終えた夕刻にも、
「ありがとうございました」
と駆け寄ってくる同僚や後輩
なかには、涙ぐみながら
「行かないでほしい」
「もっと教えてほしかった」
「もっと一緒に働きたかった」なんていう子も
特別なことをしてきたつもりはない
ただ淡々と、一つ一つを丁寧にこなし、五感を使って相手を感じること
口で言うより、やって見せるをモットーにしてきた
そのことを感じ取ってくれた人がいた
それがわかって、嬉しかった
帰り際、下駄箱の中にも手紙が
患者さんのご家族からだった
こちらのお手紙には、もっとびっくりしたな
私は、幸せ者だ
「ありがとう」と言って送り出してもらえるのだから
こちらこそ、「ありがとうございました」